EEMBCの連絡先:

 

EEMBC

マーカス・レビー

TEL +1.530.672.9113

Email markus.levy@eembc.org

 

EEMBCが、マイクロコントローラからハイエンド・マルチコア・プロセッサを対象とした、業界初の浮動小数点ベンチマーク・スイーツをリリース

 

 

カリフォルニア州エルドラド・ヒルズ 201386 The Embedded Microprocessor Benchmark Consortium (EEMBC) は本日、浮動小数点ハードウェア・ユニット(FPU)を内蔵した組み込み向けプロセッサの性能を測る新しいベンチマークスイーツFPMark™を発表しました。FPUはグラフィックス、オーディオ、モーターコントロール、およびその他のハイエンド処理タスクをサポートするためにポピュラーで、必要性のある機能です。マイクロコントローラからハイエンド・プロセッサまでをサポートするため、FPMarkはそれぞれ、単精度 (32 bit)と倍精度 (64 bit)のワークロード、および小さなデータセットから大きなデータセットまでの組み合わせをサポートします。 EEMBCFPMarkは、プロセッサベンダー、コンパイラベンダー、システム開発者のニーズに応じるため、一貫した制御データをベースに、FPU性能の評価を可能にします。その結果、正直で信頼性のある、公平な評価基準を提供します。

 

指数部が小数点の位置をシフトできるため、浮動小数点表示は、小数計算を固定小数点表示より正確に計算できます。また浮動小数点の計算は、数値計算がより簡単で、多くのアルゴリズムが固定小数点表示(同じ精度を仮定)より少ないサイクルで実行できます。そのため多くの組み込みプロセッサが高い精度をサポートするため、ハードウェア浮動小数点ユニット(FPU)を内蔵します。

 

EEMBC FPMarkスイーツは、53個のワークロードを生成するため10個のカーネルを用います。それぞれのカーネルはベンチマーク実行が正しく行われたかを検証するため自己検証機能を有します。ワークロードはEEMBC MultiBench™と同じインフラストラクチャの上に構築されます。そのためユーザは、複数のコンテキストを起動し、マルチコアのスケーラビリティをテストし、またベンチマークをOSのない環境やリナックス環境に簡単にポーティングすることができます。FPMarkのカーネルには、汎用アルゴリズム(高速フーリエ変換、線形代数、逆タンジェント、フーリエ係数、ホーナーの方法、およびブラックショールズ)と複雑なアルゴリズム(神経ネットワーク・ルーティン、レイトレーシング、およびリバモア・ループの拡張版)¹があります。

 

EEMBC会長マーカス・レビーは「従来この業界には、信頼性があり、便利な一貫した浮動小数点ベンチマークがありませんでした。EEMBC CoreMark®が「より良いドライストーン」であることを意図したように、FPMarkは、ウェトストーンやリンパックの改変版をはるかに改良したものです。FPMarkは、実アプリケーション性能についてのFPU開発の技術革新で得られる性能改善を明示、ハイライトすることでしょう」と述べました。

 

The Linley Group の社長兼主席アナリストLinley Gwennap氏は「信頼性の高い浮動小数点ベンチマークの開発は、複雑なチャレンジです。EEMBCでは長年のベンチマーク開発を経験することで、それを克服しました。多くの人が浮動小数点ベンチマークの開発を試みましたが、大半の場合ワークロードが、使用するコンパイラやハードウェアになるべく依存しないように実行されるような努力をしていません。たとえば、FPMarkが、ベンチマークの実行中にやらなければならない作業を削除せずに、高度なコンパイラの最適化をサポートできるように構築されたことは重要です。」と述べました。

 

EEMBC CoreMark同様、FPMarkではスコアの認定は必要とされません。しかしEEMBCは信ぴょう性の高いスコアを確保するため、メンバーにスコアの認定取得を奨励する予定です。メンバー以外の場合には、ソースコードとドキュメントを含み、シングルユーザ・コーポレート・ライセンスで$495、アカデミック・ライセンスで$195で、FPMarkスイーツすべてを入手できます。

 

 

# # #

 

 

 

About EEMBCについて

The Embedded Microprocessor Benchmark Consortium (EEMBC)は、1997年に設立され、実用途に即したベンチマークを開発し、ベンチマーク・スコアを認定しています。それにより設計者がターゲット・システムに適した組み込みプロセッサを選択できるよう、サポートします。EEMBCのベンチマーキングに提供されるプロセッサは、通信、ネットワーキング、スマートフォン、その他のコネクテッド・デバイス、オフィス・オートメーション、車載/インダストリアル、組み込みJAVA、およびネットワーク・ストレージ関連のアプリケーションにおける、様々なワークロードと能力を反映するパラメータに関して、テストされます。メンバーには主要半導体ベンダー、IPベンダー、およびコンパイラ・ベンダーがいます。EEMBCは、ベンチマークの標準を確立し、EEMBC技術センターを通して顧客の得たベンチマーク・スコアの認定を行っています。詳細についてはwww.eembc.orgをご覧ください。

 

EEMBC CoreMark および BrowsingBenchthe Embedded Microprocessor Benchmark Consortiumの登録商標です。この記事に明記されたその他の商標は該当各社の所有する商標です。

 

 

__________________________

1 追加情報

·         高速フーリエ変換は、関数を入力し、それを等価のサイン波の組み合わせに変換します。これは、オーディオ、スペクトル分析、イメージ圧縮のアプリケーションで重要です。

·         ホーナーの方法は、多項式の根を近似するために用いられます。

·         リンパックから作られた線形代数ベンチマークは、構造工学の力のバランス、相対的な基点フレーム変換、種々の方程式の解決、回転と流体の研究などに使われます。

·         逆タンジェントは、逆三角関数とも呼ばれ、三角形の2つの辺の比率を使って、2辺の角度を求めることで、直角三角形の角度を計算します。

·         フーリエ係数は、複雑な指数部の和により、一連の周期関数を求めるための数値分析ルーティンです。

·         神経網は、機能的な逆伝搬神経網シミュレータです。神経網アルゴリズムは、データ間の複雑な相互関係を探し出す、コンピュータプログラムです。

·         ブラックショールズは、ストックオプションなど経済デリバティブの数値を求めるために開発された数学モデルです。

·         拡張型リバモアループは、FPベンチマークの代表的なもので、ローレンス・リバモア研究所が並列型ハードウェアやコンパイラ・ソフトウェアの計算能力をテストするために用いたプログラムから抜粋されたループ・プログタムです。

·         LU分解―線形方程式や行列逆変換を解くためのアプリケーション

·         レイ・トレーサーイメージ・プレーンのピクセルの光路をトレースし、それが仮想対象にぶつかったときの効果をシミュレートするイメージ生成テクニックです。